デジタル人民元とは
デジタル人民元のプロジェクトは、2014年に開始されました。
中国の数カ所の都市でパイロット実験を実施して、個人情報の保護とデータのセキュリティを最重要事項としています。
中国人民のパブリックコメントも収集していきたいようです。
中国人民銀行の立ち位置や目的や政策等を明確にしていきたいとのことです。
そして来たる2022年2月の冬季オリンピックまでには、正式に発行していきたいのではないでしょうか。
デジタル人民元の中国における評判
デジタル人民元発行の真の目的は何でしょうか。
すでにアリペイとウィーチャットペイが中国人民の中に浸透普及しています。
デジタル人民元発行の実証実験がどの程度中国人民にとって意義あることなんでしょうか。
すでにアリペイやウィーチャットペイでスマホでの送金支払いはスムーズにできているのです。
利便性がデジタル人民元によって大幅にアップするわけではないのです。
結局はデジタル人民元は、利便性が上がるというよりもIT企業から国家にお金の流れの情報を移行するということになるようです。
デジタル人民元の中国への影響
中国では、デジタル人民元の実証実験が実行されているようです。
技術的には問題ないでしょうが、中国人民銀行法を改正して、法制面でも法定通貨として認定する方向に舵をきりました。
中国は、2022年の冬季オリンピックまでには発行したいようです。
デジタル人民元は、アメリカ、欧州、日本にも刺激を与え、アメリカはデジタルドルを検討しています。
欧州は、近々デジタルユーロを進捗させるかどうか結論を出すようです。
日本は、デジタルエンを発行する計画は無いとしながらも、今春から実証実験を開始しています。
デジタル人民元の中国での役割
デジタル人民元は、国内の個人の支払いだけでなく、国境を超えて決済することも視野に入れているようです。
要するにデジタル人民元の国際化であり、アメリカの通貨金融の覇権にチャレンジしようとする試みだと言えます。
中国人民銀行は国際決済の際には相手国の通貨主権や法律を尊重することを謳っています。
アメリカ、欧州、日本なども中銀デジタル通貨発行に向けた取り組みや検討が開始されています。
国際的には、人民元の存在感はそれほど高いわけではないので、果たしてデジタル人民元が容易に世界で受け入れられるのでしょうか。
デジタル人民元の安全性
デジタル人民元の安全性はどうなんでしょうか。
セキュリティとプライバシーについて、中国人民銀行の範一飛(Fan Yifei)副総裁は次のように述べています。
「デジタル人民元の違法コピーや偽造が不可能な技術を確立し…分散型デジタルIDや、厳しいID検証プロセスに基づく…個人データを保護する技術開発も進めている」
要するに簡単に偽造できない個人データを厳正に保護するシステムの確立を目指すということでしょう。
マネーロンダリングや詐欺などの違法行為を防ぐことにも重点を置くということです。
まとめ
デジタル人民元の野望、五輪から FRBには警戒論https://t.co/581hNdpzby
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 16, 2021
中国では、現在モバイル決済として必ずアリペイやウィーチャットペイの個人口座に紐付けされた銀行カードが必要であり、中央演算システムである「網聯」を経由しなければなりません。
また外国為替取引の場合には、中国外貨取引センターで実施されます。
それゆえに、規制当局は人々のお金の流れをしっかりと把握できています。
わざわざデジタル人民元を発行しなくても現状では政府当局は済むわけです。
なぜデジタル人民元発行なのかという疑問が残ります。