馬雲について
馬雲は、1999年に浙江省杭州市にアリババを創立しました。
当初は、馬雲を含め18人の会社でした。
インターネット支払い(電子マネー)、電子サービスなどが主な業務です。
やがてアリババは、中国で最大で、世界第2位のインターネット企業に成長したのです。
現在まで新規のシステム作りや学校創設、海外事業展開を実施しています。
馬雲は、慈善活動も積極的に参加したり、話術も巧みで親しみやすく「馬雲パパ」という愛称で呼ばれています。
馬雲のプロフィール
名前 | 馬 雲(ば うん、英語: Jack Ma、ジャック・マー) |
役職 | 中国の起業家、アリババグループやアントグループの創業者・元CEO・元董事長(会長)、ソフトバンクグループ元取締役、中国本土の起業家で初めて『フォーブス』に名前が掲載された |
生年月日 | 1964年9月10日 |
出身地 | 中国浙江省杭州市 |
出身校 | 杭州師範大学、長江商学院 |
純資産 | 390億ドル(2018年) |
政党 | 中国共産党 |
配偶者 | 張瑛 |
馬雲の中国における評判
馬雲は、中国の大成功者でありますが、その巧みな話術も親しみさえ感じさせるので、馬雲パパという愛称で呼ばれるほどの人気者です。
しかしながら、最近は若者をターゲットにしたビジネスで金儲けしているということで、その人気に翳りが生じています。
習近平国家主席がドンドン肥大化するIT企業に対して容赦しなくなったことも影響しているかもしれません。
馬雲の中国への影響
中国は、今やデジタル先進国と言われ、イノベーションが政府主導でドンドン進む場合もある一方で、時には切って捨てられる場合もあります。
その例のひとつとして、若者への消費者金融です。
スマホで容易に借りることができるので、若者が借金漬けとなり債務地獄に陥っているケースが増加しているのです。
中国の大手のIT企業の殆どがこの消費者金融に進出しているのです。
以前は、評判が良かった馬雲とアリババですが、消費者金融業に着手したことで世間の批判に晒されたのです。
その結果、中国当局も動き出し、世論を考慮して、これらの企業に対して規制強化をはかってきたのです。
馬雲の中国での役割
馬雲の役割とは何かというと、やはり中国をここまで牽引した優れた経済人でビル・ゲイツに匹敵するあるいはそれ以上だと思います。
IT企業を中国に根付かせ、続々と誕生させていった先駆者とも言えるのではないでしようか。
しかしながら、IT産業は「勝者総取り」の傾向が顕著でありドンドン肥大化していきます。
規制が無いと、手に負えないほどの圧倒的な力を持つことになります。
それでアメリカにおいても、GAFAなどのIT企業の規制に乗り出しています。
この動きは世界的な潮流にもなっているようです。
アメリカでは2020年に司法省によってフェイスブックとグーグルに対して提訴がありました。
そして日本でも2020年2月1日に「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が施行されました。
このような一連の流れの中で、中国においてもIT産業に対して規制を考慮するようになったのではないでしょうか。
馬雲の中国での活動内容
馬雲の活動内容ですが、すでに多大な貢献をしていると思います。
馬雲のアリババグループは中国当局に守られながら、中国で飛躍的な発展をしてきたと思います。
アリババグループでも積極的に政治と太いパイプを築いてきたのではないでしょうか。
当局と多少の軋轢は繰り返しながら…
例えばモバイル決済アプリが正式に認可されたのは、やっと2016年になってからです。
今や中国のイノベーションを代表するようなアリペイですが、当初は中国当局との軋轢で潰されそうだったのです。
馬雲の経歴
1988年 | 杭州師範学院(現杭州師範大学)英語科卒業 |
1988年より1995年 | 杭州電子工業大学(現杭州電子科技大学)にて講師として英語、国際貿易を教える |
1995年 | アメリカで出会ったインターネットにヒントを得て、中国初のビジネス情報発信サイト「中国イエローページ」を開設 |
1998年から1999年 | 政府機関の中国対外経済貿易合作部(中華人民共和国商務部の前身)の下部組織である中国国際電子商務中心に所属し、同部公式サイトおよび同国インターネット商品取引市場を開発する |
1999年 | 同商務中心を辞職し、杭州に研究開発センターを設立 |
1999年9月 | 香港を本部とするアリババネットを創業、同社はeコマース、特にB2Bを開拓、現在、アリババは世界最大のB2Bサイトの一つである |
2003年 | 淘宝網を開設 |
2005年8月 | アリババは中国ヤフーを買収し馬は会長に就任 |
2006年 | 香港の大富豪である李嘉誠が設立した長江商学院CEOプログラムを受講 |
2007年 | ソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)取締役に就任 |
2016年 | ビル・ゲイツらとともにブレイクスルー・エネルギー・コアリションの設立に加わる |
2017年 | トランプタワーを訪れ、ソフトバンクの孫正義に続いて海外のIT企業経営者としては2人目のドナルド・トランプ次期アメリカ合衆国大統領の会談相手となる、馬はトランプの側近ジャレッド・クシュナーと親しかったことから実現し、孫の会談の際も仲介を行ったとされる |
2018年9月10日 | アリババ会長の職を翌2019年に退き、張勇(英語版)(ダニエル・チャン)CEOを後継に据えると表明 |
2019年9月10日 | 55歳の誕生日にアリババグループの会長職を退任 |
2020年6月25日 | ソフトバンクグループの取締役を退任 |
2020年9月30日 | アリババグループの取締役を退任 |
まとめ
馬雲は中国の金融規制に対して、かなり侮蔑的な発言をしたので当局の感情を逆撫でしたようです。
何と「質屋営業」だと評してしまったのです。
この発言は大きく、何と馬雲が創設した湖畔大学の総長をも辞任せざるを得なくなったようです。
この大学は2015年に、馬雲の故郷である浙江省杭州市に財界エリート養成のために設立したものですが、わずか5年で新人募集停止という事態に追い込まれました。
まさに中国政府の虎の尾っぽを踏んだと言っても過言ではないと思います。
当局の容赦ない弾圧は凄まじいものがあるようです。
これは、IT企業特にアリババがあまりにも巨大化したことで、当局が挙げた狼煙であるかもしれません。