はじめに

旭化成の名誉フェローである吉野彰氏が

ノーベル化学賞を受賞しました。

企業に帰属しながらリチウムイオン電池の

開発を評価されての受賞だと思います。

旭化成の小堀秀毅社長によると

研究のきっかけである着想は

好奇心から生まれるそうです。

旭化成は現場の主体性を重視して

自由に着想し、研究に没頭出来る

環境作りに努めているそうです。

コネクトという社内外の

スペシャリストが連携するのも

この会社の特徴です。

そして不足する技術は外部の

ベンチャー企業と柔軟に協業するのが

重要だとの事です。

関西ものづくり企業を取り巻く環境

リチウムイオン電池は、

関西発の工業製品です。

パナソニック、GSユアサなどの

電池メーカーや装置・素材メーカー等の

各社連携で技術に磨きをかけてきたのです。

関西の電池開発の歴史は長いのです。

1895年にGSユアサの島津源蔵が日本初の

鉛蓄電池を開発しました。

1931年にはパナソニックが大阪で

乾電池の生産を始めたのです。

吉野彰氏のリチウムイオン電池開発に

全面的に協力したのが

皆藤製作所(滋賀県草津市)だったのです。

関西で電池産業が拡大発展したのは、

皆藤製作所のような高度の技術を持ち、

新分野を開拓しようとする企業が

数多く存在するからです。

関西のものづくりの一大勢力となった

リチウムイオン電池ですが、

中国や韓国勢との競争も激烈です。

科学研究の実力は国力の顕現したものだと

言われます。

2000年以降で、今回で19人の科学賞

受賞ラッシュは1980年代の日本の

豊かさの賜物だと思います。

科学研究の成果から受賞までは2〜30年

かかると言われます。

世界第3位に転落したジリ貧の経済や

昨今の研究力の元気のなさ、各分野での

論文数の低下、大学ランキングの低さ等

日本にとって憂慮すべきことが

多いのが気になります。

中国や韓国勢の猛追

リチウムイオン電池は1991年にソニーが

世界で初めて実用化したのです。

このリチウムイオン電池でも中国や韓国勢が

台頭し、2017年には中国のCATLが

パナソニックを抜いて世界一の座を

ゲットしたのです。

吉野彰氏のノーベル賞を契機にかどうか

分かりませんが、パナソニックは

巻き返しをはかるため2020年末に

トヨタと車載向け電池の会社を

共同設立する予定です。

最後に

今後の企業の課題は、山積していますが、

やはり研究者に対しての人事面での

待遇改善だと思います。

企業に帰属しているという意識を

高めるためにも専門性如何に関わらず、

高いポストを提供するのは必要不可欠です。

旭化成でも専門職は

部長止まりだったそうです。

しかしながら研究の重要性を鑑みて、

2年前に人事制度を改定して、役員待遇にまで

昇進するようにしたそうです。

その他、種々の面での改革の

途上にあるようです。

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