人間失格太宰治と3人の女たちは監督蜷川実花と主演小栗旬で大成功

はじめに

太宰治は、やはり気になる作家です。

映画『人間失格 

太宰治と3人の女たち』は、

蜷川実花監督、小栗旬主演という

実に見事な組み合わせで

大成功ではないでしょうか。

邦画史上の名作として

燦然と輝くと思います。

平日にも関わらず観客が多かったです。

蜷川監督の極彩色の映像美もまた

観客を魅了させるに十分でした。

『人間失格』は、太宰治の心中死の後に

出版され、あっという間に『斜陽』を

圧倒する大ヒット作になりました。

現在までの販売部数は、実に

1200万部以上で、日本文学史上最大の

ベストセラーです。

映画のストーリーについて

日本文学史上最大のベストセラー

『人間失格』が誕生するまでの過程に

焦点をあて、太宰治が驚天動地の

心中死までの1年半に期間限定して、

それまでに出会った3人の女性たちと

出会い、深く付き合っています。

そして、3人とも太宰治についての手記を

残しているのです。

この3人の女性たちとの葛藤を

見事に描き切っています。

太宰治は身重の妻である美知子と

ふたりの子供がいるにもかかわらず、

恋の噂が絶えず、

自殺未遂を繰り返すという破天荒な

生き方をしているのです。

しかしながらベストセラーを連発して、

時のスターになっていたのです。

太宰治の正妻である美知子に宮沢りえ、

作家志望の愛人である静子に沢尻エリカ、

最後の女である富栄に二階堂ふみという

豪華キャストを配しているのも

魅力です。

この3人の女性たちは、

実は欲しいと願ったものを

最後にはそれぞれがゲットしたという

風に思わされました。

実に不思議な感覚になりましたが

三島由紀夫との出会い

太宰治と同様に自死した

作家三島由紀夫とのやり取りが

とても興味深いです。

進駐軍の米兵や連れの女たちも

チラホラいるバーの奥の座敷で、

取り巻きに囲まれた太宰治に、

盛んにおべっかを言っている連中の

中に、末席の方から「僕は太宰さんの

文学が嫌いです」という声が

あがるのです。

新進気鋭の作家三島由紀夫です。

「死の匂いでどれだけ客の気を引いても、

みんなあなたがどうくたばるかにしか

興味を持ちません。あなたは文学を

見世物小屋の興行にしてしまった。

本当に客の前で死んでみせる覚悟が

あるんですか?」

この三島の言葉は、太宰の胸にグサリと

突き刺さるかのように思われました。

三島由紀夫は、晩年は政治的傾向を

強め、自衛隊に体験入隊したり、

楯の会を結成したりして、

最終的には、自衛隊の市ヶ谷駐屯地で、

クーデターを呼びかけて、

割腹自殺したのは、昭和451125日の

ことでした。

太宰治に三島が放った言葉を

三島由紀夫自身にも投げかけていたのだと

今更ながら想像されます。

最後に

日本中を騒がせた天才作家太宰治は、

スキャダルまみれでした。

ダメ男なのに、憎めず、命がけの

恋をする悲しさと可笑しさ、

シリアスな状況にもかかわらず、

思わず笑ってしまう太宰文学の

本領発揮だと思いました。

このように太宰治は何故か、

可愛げのある面も備えていたので、

数々の女性たちに愛され、

モテたと思います。

この映画を観て、また太宰文学を

再読しよう思いました。

私は、まだ『ヴィヨンの妻』、『斜陽』、

『人間失格』を完読していません。

しかしながら短編小説である『男女同権』

『きりぎりす』『グッド・バイ』

『チャンス』『トカトントン』は、

何度も読み返しています。

実に読みやすいので、外国人が

日本語の勉強をするのに良い教材に

なると思います。

ABOUTこの記事をかいた人

長年教育の場で、働いてきました。 前半は、日本の小学校で、 後半は日本の高校、日本の大学、 中国とベトナムの大学で日本語教師という風に! 今年2018年6月に日本に帰国しました。