はじめに
伊藤忠商事社員が、約一年中国で、
拘束されていることが、
2月14日に判明しました。
関係者によると、社員は拘束時に、
中国出張中で休みを取って
旅行中に拘束されたそうです。
2017年山東省で拘束された日本人の
報道を聞いた時、私も山東省に
居たので吃驚でした。
2015年以降日本人拘束増加
2015年以降に、一連の事件は、
いずれもスパイ罪と国家機密を盗み取る罪の
二つの罪に問われているそうです。
2015年に浙江省、遼寧省、上海市などで
拘束された事例では、
スパイ罪が適用されたようです。
また、2017年3月に山東省、海南省で
拘束された6人の日本人は、
温泉開発の調査をしていたのですが、
4人は釈放されました。
しかしながら、2人は起訴され、
国家機密を窃取・探知した罪が
適用されたようです。
政治的背景影響
2010年9月に、尖閣諸島沖の漁船衝突事故で、
日本側は、中国人船長を逮捕しました。
それに呼応するかのように、
中国側は、準大手ゼネコン・フジタの
社員4人を、河北省の軍事管理区域で、
写真撮影したとして、拘束しました。
日本側が、中国人船長を釈放した後で、
最後まで残っていたフジタ社員を
釈放したという経緯があります。
でも今回は、日中関係が改善されつつある
中で発生していて、
政治的背景はなさそうですが。
伊藤忠商事と中国との関係
歴史的に、伊藤忠商事は、中国との貿易に
他に先駆けて取り組んでいます。
1972年の日中国交正常化以前に、
中国政府から友好商社に認定されてもいます。
また、2010年伊藤忠商事の会長・社長を
務めた丹羽宇一郎氏が民間出身で初めての
駐中国大使に就任しています。
ことほど左様に、関係良好なんです。
伊藤忠商事の約5千億円の純利益のうち
中国関係が700億円〜800億円を占めるのです。
また、2015年に、中国最大の国有複合企業
中国中信集団に約6千億円出資しました。
さらに、発電事業やアパレル事業などの
共同で進める計画を掲げて、
中国事業をさらに拡大する考えなのです。
今後の中国と伊藤忠商事
2018年4月に、伊藤忠商事東京本社で、
「中国語人材1千人達成」を
祝う式典を開催したそうです。
そこで、伊藤忠商事の岡藤正広会長と
中国の程永華中国駐日大使ふたりが、
壇上に並び、親密さを
アピールしたそうです。
最後に
中国と伊藤忠商事との関係は、
かなり親密なようです。
にもかかわらず、
このような社員拘束事件が
起こると、ビックリしますね。
それにしても、
拘束されて、すでに1年も経過しているのが
とても不可解です。
菅官房長官は今年2月14日の記者会見で、
40代の日本人男性が昨年2月に
広州市で拘束され、同6月に起訴された
ことを認めたそうですが、
容疑の内容や伊藤忠商事の社員だと
明らかにしなかったようです。
何か、怪訝な感じがするのは、
私だけでしょうか?