中国煙台魯東大学冬休み
中国煙台で大晦日を過ごし、年越ししたわけであるが、こうして異国の丘に
立っているという感慨にふけっています。
思えば遠くに来たもんだと感じ、感傷的になったりもします。
8月からあっという間に日月が経過し、悲喜こもごもの思い出が
走馬燈のように胸に去来してきます。
中国の冬休みは長きに渡るので、ほとんどすべての学生達がふるさとへ大移動していき、
大学はほぼ空っぽになる感じです。
私は、日本へ一時帰国したり、なつかしのベトナムブンタウへ
旅行する計画を立てました。
日本語教育原点ベトナムブンタウ
海外生活を長期で、初めて開始したのが、ベトナムブンタウだから、私の
海外日本語教育の原点ともいえる異国の地です。
今思うと、ベトナムブンタウでは、良き思い出に彩られています。
「思い出は美しい!」まさにその通りです。
学生もベトナム人日本語教師、大学関係者、ニスバの方々みなさん
素晴らしい人たちばかりでした。
ベトナムブンタウはリゾート地で、南シナ海に面しています。
週末になると、周辺の街々ホーチミン・ハノイ・ダナン等から大型観光バスで
大勢のベトナム人が大挙してやってくるのです。
雑踏にもかかわらず、なんの違和感も感じさせない不思議な魅力が
ベトナムブンタウにはあります。
環境の良さというのでしょうか。
人の優しさが根底にあるのかもしれません。
私自身どういうわけか、ベトナムブンタウという不思議な街に
溶け込んでいくような気がしていました。
人間を限りなく受容する何かが、この地にあるのではと思われます。
ブンタウはベトナム南部に位置するので、当然一年中夏です。
雨季と乾季があり、スコールもあります。
でも日本のような大きな自然災害がほとんど無いです。
地震・台風など…
でも歴史的にはベトナムは何度も異国の侵略や戦争に見舞われました。
まだ半世紀も経っていないのです。
あのベトナム戦争以来、確かにまだ街中で傷痍軍人の姿を見かけます。
戦争の傷跡があちこちにチラホラ散見されるのです。
一般的にベトナム人は「アメリカに負けなかった!」ということで
プライドを持っています。
北と南で多少温度差はあるのですが…
「北に対して、南の方の人々は少し違和感を持っているな!」と感じるのは
私だけでしょうか。
最後に詩を書いてみました。
惜別
風に吹かれて散る葉のように
別れて散ったあなたと私
いついつまでも心に残る
あんなにも愛したのに
錯覚だったなんて
思いたくもない忘れな草
思えば遠くに来たもんだ
故郷は遠くにありて思うものと言うけれど
ホーチミンでひとり呑む酒わびし
今日もまた繰り返す
藤村の惜別の唄